
■県厚生連選定へ 地元商店街は空洞化懸念
老朽・狭あい化に伴う総合病院土浦協同病院(土浦市真鍋新町、1001床)の移転改築で、土浦市は同市真鍋地区の2カ所を移転候補地として4日、同病院を経営するJA県厚生連に提案した。県厚生連はこの2カ所を含む複数の候補地から移転先を決定するとしている。現時点で移転先は真鍋地区(市中心部)か郊外の上高津・宍塚地区(市街化調整区域)の2地区数カ所に絞り込まれた印象だが、仮に郊外転出となれば、真鍋地区の空洞化対策という重い課題を市が背負うことになる。
■市は真鍋2地区
県厚生連から昨年末を期限に移転候補地を提案するよう求められていた市は、約1カ月遅れの今月4日、①同市真鍋1丁目の中川ヒューム管工業土浦工場跡地と周辺(計約11㌶)②現在地と南側隣接地、中川ヒューム管工業土浦工場跡地の一部(同14㌶)-の2カ所を提案した。
選定理由は、①は中心市街地に隣接する市中心部でJR土浦駅から約1.2㌔に位置し、都市計画マスタープランの土地利用方針、コンパクトなまちづくりの方針に合致すること、移転によるまちづくりへの影響が少ないこと、②はこれに加えて現施設の一部と所有地を活用できるとした。
一方、①の課題として、高圧線(鉄塔)があり、医療施設やヘリポートへの影響の有無、工場で製造された製品の土質への影響の有無、②は高圧線に加え、土地が不整形であること、車両の進入路が限定されること、住宅の移転、市道の移設などを挙げた。
■市も「応分」負担
市は移転候補地提案に当たり、真鍋地区など3地区について調査・検討した。このうち、市役所に近い下高津の公共施設用地は、所有者が営業中であること、上高津・宍塚地区は、県厚生連が新病院の開院を2013年10月としているのに対し、10㌶に及ぶ農地を転用するには手続きに相当の時間を要すること、さらに市の土地利用方針との整合性の観点などから除外した。
県厚生連は今回の市の真鍋地区提案を踏まえて、市の代表を加えた委員会を立ち上げ、真鍋や上高津・宍塚地区など複数の候補地から移転先を決定することにしている。
中心市街地の空洞化に危機感を募らせる商店街関係者や地元住民らは現在、真鍋地区での移転改築を求める署名活動を展開しており、近く、要望書とともに県厚生連や市、市議会に提出することにしている。
県厚生連の土浦協同病院施設整備調査委員会が昨年9月にまとめた答申書には「行政等からの財政支援は可能な限り最大限確保していかなければならない」とする文言が盛り込まれており、市も「応分の財政負担」(中川清市長)を表明している。
現在地の近隣か郊外か。どちらにしても巨額の市民負担が前提となる移転改築には、市民本位の視点が不可欠。十分な情報公開も求められる。
【写真説明】
現在の総合病院土浦協同病院=土浦市真鍋新 |